やべぇ!鹿が乗り移った!

なかよしなしっくすのことを徒然なるままに。

ヒメトカゲと森田くん

森田剛さん単独初主演のヒメアノ〜ルを観てきました。ヒメアノールと打ってから2文字消して、「〜」と「ル」を打ち込まなきゃいけないこの作業面倒だよね。でもその面倒な作業の間にも森田剛さんのことを考えていられる時間が増えるなんて、こんな幸せなことないよね。森田さんのこと考えていられるなら、ニョロニョロなんて永遠に伸ばしていたいよね。ナミセンに加入だってできるよね。そのうち、どーもーナミングセンチュリーでーすなんつって、V6の隣で爽やかなシャツ着て座ってれば、「あれ?V7じゃないですか」「ちょっとそれだけは勘弁して下さいよ〜」なんて言われる未来もあるんだろうか。ないだろうか。嗚呼、ヒメアノ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






ル。

さて。首都圏は梅雨入りしたとかしないとか。


あんなに楽しみにしていた5月27日と5月28日が終わってしまい、生きる希望を失ってしまったような喪失感と闘っている。君、生きる希望を失ったヤツがどうなるか知ってるだろ。大丈夫。大好きな天使ちゃんがいる限り生きるよ。


さて。

本題に入ります。

実は公開初日に舞台挨拶付きのチケットで鑑賞してきたんです。

その所感を忘れてしまう前にしたためておこうかと思いましてね。

剛さんはあの時、「この映画を見た方はそれぞれが違う感情をお持ちになってると思う」と仰っていました。

まさにその通り。


あ、ここからはガッツリネタバレになりますので、映画2回観て、漫画3回読んだくらいの方だけお通り下さいね。

あれ、こんなに言っても通るなら別にいいけど。



上映前は、この後、生で剛さんを拝めることの興奮と、大の苦手な殺戮映像を観なければいけない恐怖で胸がいっぱいでした。


正直な話、序盤は「剛さん!!!、剛さんが銀幕に…!!!」と、剛さんがスクリーンに映るたびになんだかドキドキしてしまってストーリーに入り込むのに少し遅れを取ってしまった気がする。こんなファンの心境なぞお構いなしなんだろう、剛さんはどんどん、我々の知っている剛さんではなくなっていく。

くそっ、剛さんにこんな計り知れない恋心でもなければもっと純粋に入り込めたというのにっ。

有働さんが言っていた通り、「あれ?なんでこの映画観ているんだっけ。・・・そうだ、森田さんが出ているんだった」という瞬間が確かにあった。まさに世界が色を変えるあのシーンまで。有働さんはその後の「そのくらい映画の世界にのめり込んだ」なのか「そのくらい演じている森田剛さんとしてでなく“殺人鬼森田正一”にしか思えなかった」なのか「そのくらい森田さん前半出てこなかった」なのかはっきり断言しなかったが、恐らくその全てだろう。


前半は聞いていた通り、コミカルなシーンが続き、クスッと笑わされる和やかな雰囲気。このあとサイコキラーが出てくるんだかなんか知らないけどあんたが一番こえーよ、とアンドウ先輩を見て何度も思った。冒頭の棒読みのムロさんに「ん?」となったが、あれはあれで掴みはオッケーなんだろうな。

岳ちゃんの演技は、素の岳ちゃん見ているようで、あぁ童貞なんだーと思ったり、あぁ拗ねちゃったーと思ったり、あぁ断れない体質なのねーとか、生々しいベッドシーンも岳ちゃんのプライベートを覗き見しているような、なんだか恥ずかしくてむず痒くて微笑ましくてそんな不思議か感覚になった。

ありきたりな日常を俯瞰で見ていたつもりが、だんだんその世界に入り込んでしまってなんとなく友人のあるある話でも聞いているかのような、そんな“日常”の作られ方だった。


なんて、ヌボーっと鑑賞していたら、突如現れるタイトルバックと不穏なBGM。

この瞬間、世界が色を変えた。

そうだ、自分はいまヒメアノ〜ルを観ているんだ、と気づかされる。

此処から、圧倒的に何かが崩れていく、という想像しがたい恐怖で、言葉通り背筋がゾッとした。

R15 の文字に背筋が凍ったという声も見かけたが、自分はもっぱら映倫の文字にゾクゾクした。倫理的に…倫理的に大丈夫なんだよな、この映像は…と思わざるを得ない恐怖。


苛立つ森田くんが壁を殴るシーンは見事だった。無言であるが故に、姿勢や表情、目の動きに集中して見てしまうものだが、森田剛という役者はそういうシーンこそ映える何かを持っているんだと、上映後しみじみ感じた。上映中はヒッ…怖い…なに、なんなの…って感覚なんだがね。公開後のワイドショーで見かけた、壁を殴る森田くんの背中側からの別カットは必ずメイキングに入れてくださいね、日活さん。金なら出しますよ。


壁を殴る箇所から、OLの部屋にブルーシートが掛けられるまでのシーンこそ、どこにでも起こりうる日常と異常が隣り合わせのような感覚に陥る最大のシーンだと感じた。

最も恐怖に感じるシーンは人それぞれだろう。目を覆いたくなるシーンは数え切れない。嗚呼、なんで、どうして…と思ううちにストーリーが進んでいく。


残虐なシーンと深い哀しみと理解できない苦しさとで、無茶苦茶な気持ちのまま映画が終わった。


終わってすぐに思った。


「そりゃ10:0だわ」


森田さんが自信作です、と満足げに語っていたのをかろうじて思い出しながら、そりゃ俳優とアイドルの比率を今聞かれたら、この人10:0だわと納得した。

殺戮シーンの残虐さだけではない。

映画のあちこちに投げ込まれた胸を打つシーンの全てに、この映画の本気を見た気がした。


終わって次に思った。


「R15じゃ足らんやろ」


15歳見ちゃだめだろ、いろんな意味で。あれもこれも、まだ15歳の少年少女には見て欲しくない。あんな大人になってはいけないんだよ、世界はもっと美しく優しい人で溢れているはずなんだよ。


上映後はなんだか立ち上がるのも一苦労で、身体中が重く感じて。そのあと訪れるどんな事象も映画の中の一コマに見えてしまった。例えばビルのトイレの清掃員さんの姿を岡田くんとアンドウ先輩に重ねてしまったり、トレンチコートを着たOLには「おい今夜気をつけろよ」と念力を送ったり、缶コーヒーを見るだけで彼の存在が蘇ってしまった。

夜道歩くのはもってのほか。10メートルごとに後ろを振り返ってビクビク過ごしている。


とにかく後遺症が酷い。

映画を観てこんな気持ちになったことはない。感じたこともない疲労感と空虚感。刺激が強すぎるのに、森田の一挙一動を思い返しながらやるせなさと葛藤している。


もう一回観たら森田の気持ちがわかるかもしれない。

そう思って2度目の鑑賞に行く。